生産者の方々のご質問
刃の温度は何度位になりますか?
着火後、5分程度で、刃の中央部(カット部)は100℃以上に達します。
一番熱くなる加熱部では、250℃前後です。(気温20℃、ガスカートリッジLevel 3の時)
着火後、刃を閉じて充分に熱が刃にゆき渡ってから(5分位)お使いください。
着火後、すぐに切り始めますと刃全体が、きちんと熱くなりません。
「なぜ250℃まで上がるのか?」
250℃は温度が高く感じられますが、冬場の連続カットで作物の汁液が多い場合には、
汁液の温度も15℃位で、絶えず刃が汁液で濡れるため、刃の温度低下があるためです。
初期のモデルは、最高温度150℃でしたが、農家さんと試験場さんとの共同確認で
直ぐに温度をあげることになりました。
刃が熱くて、手や指の火傷の心配はありませんか?
火傷の心配はありますので、素手で直接加熱部に触らないでください。
革手袋か軍手の御使用をお願いします。薄手の布製手袋でも、火傷防止にはなります。
ゴム系の手袋は、刃にさわった時に、ゴムがとけますので、御使用にならないでください。
どんな作物に使えますか?
農業試験場・病害虫防除所さんで、書かれている「ハサミの管理作業での二次感染の
可能性のある作物」です。
具体的には、果菜類の「トマト・キュウリ・ナス・ピーマン」「イチゴ」「メロン・すいか」などです。
また、花卉のラナンキュラス・ダリア・フリージア・ユリなどの栄養系球根で、来季にも球根を引き続き使用される方にも御使用頂いています。
クリスマスローズ、リンゴ苗、トウガラシ、スターチス、スイートバジルでも御使用頂いています。
管理作業での二次感染防除としては、一株毎(一苗毎)に消毒液に漬けたり、またはバーナーの炎で刃を焼いたり、
布で汁液をふき取ったり、もしくは手で葉かきおこなうことできっちりと防除できますが、時間、労力がかかり過ぎるのが問題とされています。
そういった心配のある作物に、熱ハサミは一苗毎の防除で且つ連続使用(切る)ことのできる
ハサミです。
細菌やウイルス対策に効果がありますか?
細菌は、60℃〜80℃が死滅温度、ウイルスは、80℃〜100℃位が死滅(不活性化)温度と言われています。
刃の温度は、スタート時、その温度以上を設定しています。
目安は、刃に付着した汁液が「ジュー」と蒸発します。汁液が蒸発するということは、100℃の温度が(菌のいる?)汁液にかかったということです。
実績として、従来の「消毒液による刃の消毒作業に較べて、作業時間が短縮され、且つ予防効果もあったとの声を頂いています。
この熱ハサミを使えば、100%病気が防げると保証できますか?
保証していません。
熱で刃を自動除菌することを目的に作られたものです。
総合防除の一環として、お使い頂いている農家さんに好評を頂いております。
病原菌の感染経路は、さまざまですので、ご理解頂けると思います。
トマトかいよう病菌について某県農業試験場さんで2013年6月から試験をおこなって頂いています。
自動除菌以外の2次的効果はありますか?
実際にお使い頂いた栽培農家さんのお話では、
@「切った痕の切り口が、乾燥し易いため、再度芽が出にくい。」(神奈川県トマト農家様)
A「今までは、晴天の午前中しか、葉かき作業をしていなかったが、午後も出来るようになった。」
B「手による芽かきにくらべ、肩・腰への負担が減った。」(大分県・埼玉県農家様・他多数)
C 従来の方法と比較して作業が早くなったので、昨年は3名で作業していたが、今年は、2名で作業出来た。(群馬県トマト農家様)
D「普通のハサミで昨年はかいよう病をふやしてしまった。このハサミを使用することで、安心感がある」(埼玉県トマト農家様)
E「今までは、バーナーで刃を1株毎に消毒しながらの作業だったが、熱ハサミでは、作業時間が半分くらいになった。」(長野県ラナンキュラス農家様)
などのお話を頂きました。
刃の温度低下の心配はありますか?
使用中に温度が下がってくる原因は、現在5つ考えられます。
@ガスカートリッジ内のガスがなくなってしまった。(ガスの充填忘れ)
対策:\100ショップなどにあるタイマーで50分位に設定して、ガスを充填していただいています。
A多量の汁液が、触媒を濡らしたり、汚したりしてしまった。
汁液の量は、それぞれの農家さんによって異なるようです。
また、朝一の方が、夕方よりも朝露を含め水気は多いようです。
対策:ハサミの持ち方で、汁液の多い方は、燃焼部側の刃を上にしてご使用頂きます。
B触媒の寿命(濡れない状態で、約200時間位です。消耗部品です。)
C気温が低すぎて(10℃以下〜5℃)、ガスの吐出量が落ちた。
今まで(2014.3)8℃前後の気温では、ガスの吐出量が落ちてしまいました。
対策:2014年4月より「パワーアップガス」に切り替えました。
冬に数戸の生産者様で実験・確認済みです。
D銅パイプが汚れてガスのでる孔が詰まり気味。
対策:ハサミの内部部品のパイプを掃除し易いようになっています。
現在、後付けの温度計を検討しています
普通の剪定ハサミや収穫ハサミと取り扱いや作業性は同じですか?
作業性については、出来るだけ作業し易いように努めましたが、お持ちのハサミと同じではないと思います。
重さは190g、お使い頂いた農家さんやパートさんには、一応の合格点を頂きました。
バネの硬さは、男性用(少し硬め)と女性用(軟らかめ)の2種類がございます。
ハサミの大きさは、通常の作業のハサミより少し大きめになっています。
これは加熱部品を組み込んであるためです。
毎日手に持つ道具ですので、初めは今お使いのハサミと比べて違和感を感じられるかもしれませんが、
お使い頂いた方の多くから、「1日〜数日で慣れた」との感想を頂いています。
刃そのものは、農業用専門の刃物メーカー製です。
ただし、1シーズンお使いになりますと、やはり刃の摩耗は出ています。
消耗品はありますか?
通常の消耗品は、専用ガスと触媒です。
触媒の寿命は、200時間の燃焼で10%のパワーダウンです。(セットに予備として5個ついています)
詳細は、別紙「触媒の燃焼と劣化について」に写真付でご覧いただけます。
それ以外の部品も全て単品交換できます。
ガスはどのくらい使いますか?
ガスカートリッジを満タンにして、一時間の使用が目安です。
セットに付属のガス缶(480ml)で、20〜25回充填できます。
1シーズン50時間〜300時間位の方が8割位です。
これは、作物の違いや「冬春栽培」「夏秋栽培」による違いから作業時間に差がでています。
100時間で4本、300時間で12本です。
ガス缶は、ハサミをお買い上げいただいた購入先から入手できます。
専用ガスをお使いください。
一般の市販のガスとは、油の精製に違いがあるため、一般のガスをお使いになられますと、詰まりの原因になります。
また、一般のガスには、中毒防止用の臭い成分が含まれていて、この臭い成分の粒子が大きくて
これも詰まりの原因になります。
詰まる箇所は、ガスカートリッジ内部の火口弁という部品です。油性分の汚れで、実験の結果10時間位で吐出量が落ちてきます。